2019年10月24日(木)

熊本県人吉市立人吉西小学校においてロボットトイ「toio」を使ったプログラミング教育の公開授業を実施
~熊本県人吉市・全小学校プログラミング授業教材にtoio導入決定~

 2020年春から小学校でのプログラミング教育が必修化になることを受け、熊本県人吉市では全国に先駆け市内の全ての小学校においてロボットトイ「toio(トイオ)」(発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE))を授業教材として一括導入することが決定しました。
 それを受け、2019年10月18日(金)、熊本県人吉市立人吉西小学校において、キューブ型のロボットトイ「toio」を使ったプログラミング教育の公開授業(主催:熊本県人吉市教育委員会)が行われました。

 「toio」は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が2019年3月に発売したロボットを使った新しいあそびのプラットフォームです。2台のコンパクトなキューブ型ロボットを使い、ゲームから工作、プログラミングまで、様々な“あそび”を通じて“まなび”も楽しむことができます。

 人吉市立人吉西小学校では、「toio」本体セットと、絵本やロボットを使いプログラミングの基本要素を楽しく学べる専用タイトル「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」を教材として、4年生の「総合的な学習の時間」での全5回のプログラミング教育の授業を行いました。

授業の様子の画像

■子ども達が自ら考え楽しむプログラミング授業

「みんな、班の人とよく話してみよう。」
 「toio」を使ったプログラミング教育の授業で、人吉市立人吉西小学校の4年生担任である高田敬史教諭は、子ども達にそう呼びかけていました。この公開授業は、プログラミングをテーマにした全5回の授業のうち、最後の5回目にあたります。前回までに習った「繰り返し」の概念を取り入れ、長くジグザグに曲がった難しいコースを進むプログラムを、どのようにつくるかという課題に取り組みました。

高田敬史教諭の画像
<子ども達に今日の問題を説明する人吉西小学校の高田敬史教諭>

授業の様子の画像 <難しい問題に頭を悩ませながら、何度もやり直して答を導いていきます>

 子ども達は、「また失敗した。どこが違うのかな……」「ここで曲がるからこうじゃない」と班の仲間と相談しつつ、ときには隣の班にアドバイスをもらい、試行錯誤を重ねていました。何度かの失敗を重ねて、最後には見事ロボットの「エンタくん」がゴールにたどり着くと、「やったー!」と歓声があがります。 授業の様子の画像

 授業では、全24人のクラスで2~3人の班にわかれ、「ロボットを動かすための命令カードを並べる」「ロボットを動かす」「プログラミングの記録をつける」という係を決め、全員が授業に関われるよう、工夫をしていました。
 高田先生は「理科の実験などでもそうですが、こうした授業では積極的な子だけがどんどん進めてしまう傾向にあります。そのため、全員が参加できるように、それぞれの子ども達の性格や得意なことを考え、3つの係を班の中で決めました。」と話します。

 さらにプログラミングを考えたり実際にロボットを動かす時間を決め、話を聞いたり発言をしたりする時間とメリハリをつけることで、45分という限られた時間の中で、複数のプログラムに挑戦することができました。

 これまで、ほとんどプログラミングの経験がなかったという高田先生は、「“toio”を初めて見たとき、子ども達がとても夢中になる教材だと感じました。また、画面の中だけで完結するプログラミング教材と異なり、自分が命令したものが、目の前ですぐ動いてくれる“toio”は、とてもわかりやすいと思います。」と話しています。

■スモールステップで無理なく理解を深めていく

 高田先生は、「事前に子ども達へアンケート調査したところ、4割がプログラミング自体を知らず、7割はプログラミングがどのように使われているかを知らないことがわかりました。そのため、初回の授業では『プログラミングとは何か』というテーマで、現在は身のまわりにたくさんのコンピュータがあり、プログラミングが身近で使われていることを知ることから始めました。」と話しています。

授業プリントの画像
 5回にわたって開催されたプログラミング教育の授業は、まず「プログラミングって何?」をテーマに、生活の中のあるコンピュータからプログラミングの役割を学ぶところから始まりました。

 2回目からは、実際に「toio」を使ったプログラミングを体験し、4回にわたって「繰り返し」などを活用して、段階的にプログラミングについて学びました。公開授業でも、なかなかうまくいかない班もあり、「どうしてだろう」と話し合いながら、何度も何度も挑戦している姿が見られました。

授業の様子の画像
 「プログラミングを体験して終わり」ではなく、必ず授業の最後に「ふり返り」の時間を設け、今日自分が気付いたこと、考えたことを言葉にしてまとめています。

 授業が終わった後に、子どもたちに感想を聞いてみると、「プログラミングの授業はすごく楽しい。もっとロボットと遊びたかった。」「しっかり命令しないと、ロボットが思った通りに動かないところは難しかったけれど、おもしろかった。」「自分で考えて、ロボットを動かすことができてよかった。」といった感想が多く寄せられました。

授業の様子の画像
<先生からの「またプログラミングをやってみたいですか?」という質問に、元気に手をあげる子ども達>

■熊本県人吉市では142台のtoioを2019年より導入

 熊本県人吉市では、2020年からの小学校でのプログラミング教育必修化に先駆けて、toio本体セット142台を導入し、9月から市内の全小学校でプログラミング教育の授業に活用しています。
 「toio」を教材に選んだ理由として、人吉市立教育研究所情報教育部会長であり、人吉市立中原小学校の校長を務める林敬三先生は、「今年1月にSIEがプログラミングできるロボットを発売すると知りました。3月に手を動かしてプログラミングできる“toio”のデモを見たところ、これならば子ども達が楽しくプログラミングに取り組むことができると感じました。また、“toio”であればパソコンでも様々なプログラミングを行えるため、小学校低学年から中学生まで、幅広く長く使える教材だと感じました。」と話します。

林敬三校長先生の画像
 人吉市立中原小学校の林敬三校長先生。林先生は自らもプログラミングを組み、これまでにも様々なプログラミング教材を実際に体験し、研究を進めてきました。

 さらに、人吉市教育委員会の鵜口光和氏は、「林校長先生が情報教育部会で“toio”のデモを行った際、参加していた部会の先生方から大きな拍手が起こりました。これまで候補として挙がっていた教材については、『本当にこれでできるのか』という若干の不安感がありましたが、“toio”のデモを見てその可能性を感じたことで、全会一致で導入しようということになったのです。」と、「toio」が導入されるに至った経緯を話します。

人吉市教育員会の鵜口氏の画像
 「“toio”を使った授業で、子ども達がどんな反応を見せるのか楽しみにしています。」と話す、人吉市教育員会の鵜口氏。

  すでに、人吉市立の小学校では「toio」を活用した授業を始めており、人吉市立東間(とうかん)小学校では、9月に開催された授業参観で1年生が「はじめてプログラミング」というテーマで「toio」を使ってプログラミングの基礎を学びました。参観した保護者からは、「プログラミング教育のイメージが、よい意味で変わりました」といった感想がよせられました。

■「手ごたえを感じた」という「toio」のプログラミング授業

 人吉市では2018年度までICT環境があまり整っておらず、特に小学校においては、2020年度からの新学習指導要領におけるプログラミング教育の指導を小学校でどのように行っていくかが大きな課題となっていました。そこで、2019年度はプログラミング教育のために予算を組み、市内の全小中学校でWiFi設備を整え環境整備を進めてきました。
 現在は人吉市の各小学校でプログラミング教育の公開授業を行い、そのうえで情報教育部会によって来年度に向けたプログラミング教育を行う際の課題の洗い直しと、「toio」のさらなる活用方法についての研究が続けられています。

 今回の公開授業を行った高田先生は、「5回の授業を行ったことで、子ども達はコンピュータに対する興味が以前よりも高まりました。特に、自分達が実際に命令してロボットを動かしたという経験によって、コンピュータが身近にあり、それが将来につながっていくことを実感できたようです。」と、「toio」を使ったプログラミング教育の手ごたえを話してくれました。

ふり返りの言葉の画像
<授業の最後に書かれたふり返りの言葉。初めてプログラミングにふれた子ども達が、楽しい経験とともに、コンピュータやプログラミングへの理解を深めていることが感じられます>

 今回、人吉市のプログラミング教育の教材として採用された「toio」の専用タイトル「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」は、パソコンを使わずに、プログラミングの基本構造である「順次」「分岐」「反復」などを楽しく学ぶことができます。2019年中には、現在MacOS専用として提供している無料のプログラミングアプリ「ビジュアルプログラミング」のWindows版を公開します。これにより、さらに多くの学校やご家庭で幅広く「toio」を使ったプログラミングを学んでいただくことが可能になります。

■「toio」でプログラミング:ビジュアルプログラミングとは
https://toio.io/programming/

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントでは、今後も「toio」の教育現場での活用について、様々な事例をご紹介していく予定です。

※仕様および外観は予告なく変更することがあります。
※"toio"、"トイオ"、"GoGo ロボットプログラミング"、"ロジーボのひみつ"は、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標または商標です。
※BluetoothRは、Bluetooth SIG, Inc.の商標です。
※その他記載されている名称は各社の商標または登録商標です。