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『toio SDK for Unity』が Android に対応!それは「冬休みの自由研究」から生まれた!?

2021年02月24日

『toio SDK for Unity』が Android に対応!それは「冬休みの自由研究」から生まれた!?

2020年9月に無償で公開され、大反響を呼んだ「toio SDK for Unity」がついにAndroidに対応しました!ここでは新規に追加された対応OSの情報、および当対応をオープンソース上で自作してしまった一人の凄腕エンジニアについて紹介します。

toio SDK for Unity がついに Android に対応!

本日、リリースされた「toio SDK for Unity v1.2」により開発環境およびアプリ実行環境に新たな環境が追加されました。

  • 【開発環境】
    • Windows 10 (64bit) [New!!]
    • macOS 10.14以上

  • 【アプリ実行環境】
    • Android 9.0以上 [New!!] Experimentalで対応中
    • iOS 12.0以上

上記の通り、今回のアップデートによりiOSとAndroid両方のモバイルOS向けにアプリを生成できるようになりました。ぜひ「toio SDK for Unity」でロボットトイ「toio」を利用したアプリ開発をお楽しみください!

Android版はどのように生まれたのか?

「toio SDK for Unity」は公開時に多くの反響を呼んだものの、対応OSが iOS 限定であったため、多くの開発者の方からAndroid対応が待ち望まれていました。その状況下、一人のエンジニアがオープンソース上でのAndroid対応を宣言します。

「toio SDK for UnityのAndroid対応 ~ないなら作ればいいじゃない ~」

彼はこの記事を投稿した一週間後の2021年1月1日、Androidに完全対応した全プログラムソースをtoio SDK for UnityのGitHubリポジトリにプルリクエスト(取り込み依頼)します。その後、SDKの開発元であるモリカトロン株式会社が彼のソースを取り込み、実際に検証すると瞬く間に toio コア キューブと Android 端末が連携して動き出しました。

今回、たった一人でこの驚異的開発を成し遂げたエンジニアの黒河優介さんに Android版誕生のきっかけや開発経緯をインタビューすることができました。彼がなぜAndroid対応という大プロジェクトを一人で始めたのか、その誕生秘話をお届けします!

マルチプラットフォーム対応の感覚は学生時代から・・・

Q:黒河さん、本日はよろしくお願いします。黒河さんのおかげで toio SDK for Unityは大きなバージョンアップを遂げることができました。改めて感謝申し上げます。まず最初に黒河さんの技術的バックグラウンドについて教えていただけますか?

黒河さん:ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。そうですね、私は新卒時にまずゲーム会社に入り、ゲーム開発を担当していました。その後モバイル系の会社に移り、現在はゲームエンジンの会社で働いています。ずっとプログラマーとしてやってきており、今はゲームエンジニアの開発サポートを担当しています。

kurokawa.jpg

(終始朗らかな黒河優介さん。インタビューはビデオ会議で行われました。)

Q:社会人になってから、ずっとプログラマーとして活躍されているのですね。

黒河さん:実は社会人前の学生時代からフィーチャーフォン(ガラケー)のアプリをつくるバイトをしていました。Javaでモバイルアプリをつくるというのは、その時代からやっていました。

Q:iアプリ」の時代ですね日本のモバイルゲームの聡明期ですね!

黒河さん:はい。バイト先にドコモ、ボーダーフォン(現在ソフトバンク)、auそれぞれの携帯上で実行できるフレームワークがあり、最終的にそこに手を入れるようになりました。同じJavaでもAPIが違ったり、JavaCでそもそも言語が違ったりとか、そういった環境に触れながら「あ、こうやって吸収するのか」みたいな感覚は持っていました。マルチプラットフォーム対応的な部分はそこで体験しました。

Q:すごいですね。学生時代からマルチプラットフォーム対応をやっていられていたのですね。

黒河さん:そういうことになりますね(笑)

30歳を越えてから始めた「夏休み・冬休みの自由研究」

Q:ところで toio とはどのように出会われたのですか?

黒河さん:おもちゃショーの動画で見たのが最初のきっかけだと思います。その後、CEDEC(Computer Entertainment Developers Conference)の講演で一度デモ機を見て、最終的にtoio SDK for Unityの話を聞いて、買っちゃいました。

Q:ご購入いただき、ありがとうございます。実際に toio SDK for Unity でアプリを開発してみてどうでしたか?

黒河さん:すぐにアプリ開発を始められました。サンプルのシーンをそのまま動かせばリモコンのように動かせるので、とても始めやすかったです。「ここから改造していこう」みたいに始めました。

Q:スムーズに始められたということで安心しました。それにしてもSDKを触り始めてから23ヶ月後にSDKの対応OSを拡張するとは凄まじいスピードですね。

黒河さん:実は最初にSDKを使って玩具のボトルマンとtoioを組み合わせた遊びを作りました。それをTwitterに投稿したら思いのほか、バズってしまったんです。

黒河さん:バズったのはいいのですが、iOSだと個人でアプリを配布するには少しハードルが高かったんですよね。それで「Androidで配ってみたいな」というのが今回の開発のきっかけでもあります。Androidアプリなら遊んでくれる人に「このAPKを入れてください」と言うことができるので。

Q:なるほど。「作ったゲームを手軽に配布したい」という気持ちから生まれたのですね。

黒河さん:はい。あとAndroidならUnity上のビルドアンドランで一発でアプリを書き出せます。早く開発のイテレーションを回したかったので、それも大きな魅力でした。Android対応を試しにやり始めてみたら、最初の二日ぐらいで「何かいけそうな気がしてきた」みたいな気持ちになって、それが12月のことです。その後、「ちゃんとやろう」と思って冬休み期間中にやっていました。

Q:『冬休みの宿題』みたいな感じでやられていた感じですか?

黒河さん:そうですね。実は30歳過ぎてから夏休みとか冬休みにだらだら過ごさないように『自由研究』と称して何かを作るようにしています。昨年の夏休みには「静岡県が公開している点群データをUnityで表示する」みたいな自由研究をやってTweetしていました。去年はコロナの影響で静岡県に行けなくなったので、「静岡県に行った気持ちになるためにも、この点群を表示しよう!」というよく分からないことをやっていました。

Q:すごい自由研究の活動ですね・・・。そしてまさか toio SDK for Unity のAndroid対応が『冬休みの自由研究ネタ』になるとは想像していませんでした。今年の11日(元旦)にソースコードのプルリクエストが送られて来たときは目を疑いました。もしや年越しもAndroid対応をされていたのでは?

黒河さん:ちょっとやってましたね(笑)

Q:「年越しAndroid対応」。すごいパワーワードですね(笑)実は今回のAndroid対応は私たちも対応方法を考えつつ「近いうちに必ず!」と検討中でした。そうしたら冬休み明けになぜか完成していた・・・。プロジェクト関係者も「あれ?なんでできているの?」といった具合にみんなキョトンとした感じでした。

黒河さん:そうだったのですね(笑)。実はプルリクエストした時、「もしかしたら公式側で動いてらっしゃって、自分のが拒否されるかも」という気持ちで出してみたんです。「駄目だったときは駄目だったときで公式で対応されるならば、それはそれでいいか」という気持ちでやっていました。

Q:いや、全面採用でした(涙)。本当にありがとうございます!実際に黒河さんのボトルマンを使ったゲームは配布されているのですか。

黒河さん:はい。ダウンロードできるようになっているのでtoioとボトルマンをお持ちの方には自由に遊んでもらっています。

Q:ボトルマンと toio が絶妙にコラボした世界観ですね!toio は身の回りのモノと一緒に遊んでもらうことを期待している商品でもあるので、このように遊んでもらえることは商品担当者としても、嬉しい限りです!今後も「自由研究ネタ」として新たな遊び方が生まれていくことをメンバー一同、楽しみにしています!本日はインタビューさせていただき、誠にありがとうございました。

黒河さん:こちらこそ、ありがとうございました。

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黒河さんの『冬休みの自由研究』から生まれた toio SDK for Unity Android対応バージョン。SDK一式は以下、モリカトロン株式会社のダウンロードサイトから無償公開されていますので、みなさまの「自由研究ネタ」としてもぜひご利用ください。

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※各製品名・サービス名は各社の商標です。各製品・サービスの詳細については各製品・サービス提供元へお問い合わせください。

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